不動産について何となくは知っているものの、定義や具体的に何が不動産に該当するのかまでは理解していない方も多いのではないでしょうか。
また、不動産を取得したときや売却したとき、保有しているときなど、状況によってかかる税金は異なるため、不動産に関する税金もしっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、不動産と動産との違いや、不動産に関する税金について詳しく解説します。不動産の基礎が知りたい方は、本記事を参考にしてみてください。
まずは、不動産の定義、動産との違いについて解説します。
不動産とは、土地や建物などの動かすことのできない財産を指します。民法では以下のように定義されています。
“土地及びその定着物は、不動産とする。”
引用:民法第86条
定着物とは、土地に固定されており、簡単には移動できないものを指します。具体的には、建物や樹木、車庫、物置などが不動産に該当します。また、建物内のキッチンや浴槽、造作家具など取り外すのが難しいものは建物に含まれるため、これらも不動産に該当します。
一方、動産とは不動産以外の財産です。民法でも以下のように定義されています。
“不動産以外の物は、すべて動産とする。”
引用:民法第86条
動産には、簡単に移動できる家具、車、家電、絵画などが含まれます。簡単に動かせる財産はすべて動産に含まれるため、動産に該当するものは非常に幅広いといえるでしょう。
不動産に関する税金は、主に不動産を「取得したとき」「保有しているとき」「収入を得たとき」の3つのケースに分類されます。各ケースに関連する税金について、以下で詳しく見ていきましょう。
不動産を取得したときにかかる税金は、次のとおりです。
不動産を譲り受けた場合には、相続税や贈与税がかかります。亡くなった人から相続した場合は「相続税」、存命のうちに譲り受けた場合は「贈与税」がかかります。
また、購入するなどして自分で不動産を取得した場合には、「印紙税(契約書などの文書に課される)」「登録免許税(登記の際に課される)」「不動産取得税(地方税)」「消費税」がかかります。ただし、消費税が課されるのは建物の取得時のみであり、土地の取得には消費税が発生しません。
不動産を保有しているときには、以下のような税金がかかります。
固定資産税は、不動産を所有しているすべての人に対して課される税金です。一方、都市計画税は、市街化区域内の不動産に対して課される税金です。
不動産を貸したり売却したりして収入を得た場合、以下のような税金がかかります。
不動産を賃貸して収入を得た場合は不動産所得、売却して収入を得た場合は譲渡所得として、所得税と住民税がかかります。
また、個人事業税は、一定規模以上の不動産貸付を行った場合に課される税金です。ただし、年間290万円の事業主控除があるため、不動産貸付で得た収入が290万円以下であれば支払う必要はありません。
不動産とは、土地や建物などの動かすことのできない財産を指します。土地や建物の取得、保有、不動産収入の発生など、状況に応じて異なる税金が課される点に注意が必要です。
不動産を取得する際には不動産取得税や登録免許税が発生し、所有している間は固定資産税や都市計画税がかかります。また、売却や賃貸で収入を得た場合は所得税や住民税が課税されるため、事前にどの税金が適用されるのかを把握しておくことが重要です。
不動産の税金は種類が多く、制度も複雑ですが、適切に理解し対策を講じることで負担を軽減できる場合があります。控除や軽減措置の活用を含め、専門家に相談するのも一つの方法です。不動産に関する正しい知識を身につけ、計画的に資産管理を進めていきましょう。
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