節税対策を適切に行うことができれば、手取り額を増やすことが可能です。その一方で、何も対策を取らないでいると「年収は上がったのに手取り額が増えない」「売上は上がっているのに収入が増えない」このようなことにもなりかねません。
この記事では、節税の基本から個人でできる対策について解説します。これから初めて節税対策を考える方にもわかりやすく解説しますので、参考にしてみてください。
節税対策とは、法律の範囲内で税額を減らして、資産を守る手段のことをいいます。さまざまな控除や優遇措置をうまく活用することで、無駄な税金を減らせます。
サラリーマンと個人事業主では、使える節税方法が異なるため、それぞれに合った対策を知ることが大切です。
個人が納める税金には、所得税や住民税、消費税、固定資産税、自動車税など、さまざまな種類があります。サラリーマンの場合、給与から天引きされる税金は所得税と住民税となります。個人事業主は、これらに加えて、消費税や個人事業税なども課されます。
税額は、課税所得に税率を掛けることで算出されます。
この課税所得がポイントで、課税所得の計算方法は以下となります。
年収(売上) − 経費 − 控除 =課税所得
税額の決定は、課税所得に税率を乗じて計算されますので、課税所得を小さくするほど、税額を抑えられます。
例えば、年収が500万円のサラリーマンの所得税を計算してみましょう。控除額が50万円ある場合、課税所得は450万円となります。450万円に所得税率を乗じると以下のようになります。
500万円(年収) − 50万円(控除) = 450万円(課税所得)
450万円(課税所得) × 20%(税率)- 42.75万円(控除額)= 47.25万円(所得税)
(参照:所得税の税率|国税庁)
この場合、所得税は47.25万円となります。所得控除をうまく活用して課税所得を抑えることが、節税対策になるのです。
個人の節税対策は、経費や所得控除の活用がポイントです。
年収(売上) − 経費 − 控除 =課税所得
サラリーマンの場合だと経費は、「給与所得控除」として金額が定められてしまっているため、サラリーマンができる節税は控除の活用しかありません。一方で、個人事業主の場合では、経費や使える控除の幅が広がります。
サラリーマン、個人事業主に共通して活用できる代表的な控除には以下があります。
これらのほかにも、さまざまな所得控除や税額控除があります。
各種控除、金額や適応される条件が異なりますので、利用できそうなものは積極的に活用するようにしましょう。
サラリーマンでも副業をしていると確定申告で節税が可能です。この場合の副業は、複数の勤務先をかけ持ちするのではなく、事業収入を得られる副業であるかがポイントです。
事業収入があって確定申告をすると以下の節税メリットがあります。
これら、個人事業主が活用できる控除をサラリーマンでも適用させることができます。
経費には、事業に使用した分に限り、家賃や光熱費などを家事按分として計上することが可能です。
個人事業主や中小企業経営者には、将来の資金確保やリスク管理のために活用できる制度があります。小規模企業共済は、事業主が退職した際の退職金として受け取ることができ、掛金が全額所得控除の対象となるため、節税効果が期待できます。
節税対策は適切な知識を持って行うことで、手取り額を増やすことが可能です。しかし、何も知らないまま納税をしていると、本来払う必要のない税金まで納めてしまうことがあります。正しい知識を身につけて、賢く節税対策ができるよう、本記事を参考にしてみてください。
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