許認可申請とは

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会社や個人事業を始める際、多くの業種で許認可申請が必要です。許認可を得ることは、事業の適法性と信頼性を担保する重要な要素であり、適切な申請手続きの理解は事業開始の大きな鍵となります。

事業者が取得する許認可の種類

許認可とは、法令によって規制されている事業について、行政機関から営業の承認を得る手続きを指します。事業を始める際、多くの業種で行政機関による許認可の取得が必要です。取得にあたっては一定の日数を要し、取得が必要と知らずに事業を始めた場合は罰せられる可能性があるため、注意を要します。

主な許認可の分類

許認可は「届出・登録・認可・許可・免許」の5種類に分類されます。届出は行政機関への通知で済みますが、登録以降は行政機関の審査が必要となり、要件も厳格化します。申請から取得までの期間も種類によって大きく異なり、届出は即日から数日、許可や免許は数週間から数ヵ月を要するのが一般的です。

    ■届出の特徴

  • 行政機関への通知で完了
  • 法定要件を満たせば基本的に受理される
  • 即日から数日で完了
    ■登録の特徴

  • 行政機関の名簿への登録が必要
  • 書類提出や試験合格などの条件あり
  • 条件を満たせば登録される
    ■認可の特徴

  • 法令で定める要件を満たしているか確認
  • 認可がなくても事業実施は可能
  • 補助金や助成金の受給資格に関連
    ■許可の特徴

  • 行政機関による厳格な審査あり
  • 許可なしでは事業開始不可
  • 数週間から数ヵ月の処理期間
    ■免許の特徴

  • 最も厳格な審査基準となる
  • 特定の資格保有が必須
  • 試験による適格性判断が行われる

業種別に必要な許認可(一例)

事業を行うときに取得すべき許認可にはさまざまな種類があり、業種や事業内容によって必要な許認可が異なります。ここで一例を挙げてみましょう。

▼都道府県が管轄となるもの

業種 許認可の種類 届出先
介護事業 許可 都道府県
建設業 許可 都道府県
不動産業 免許 都道府県
旅行業・旅行代理店業 登録 都道府県
ペットショップ 登録 都道府県
貸金業 登録 都道府県
電気工事業・解体工事業 登録 都道府県

▼警察署が管轄となるもの

業種 許認可の種類 届出先
探偵業 届出 警察署
質屋業 認可 警察署
自動車運転代行業 認可 警察署
リサイクルショップ、古本屋等の中古販売、中古自動車販売 許可 警察署
パチンコ店、麻雀店、ゲームセンター、キャバクラ・バー等の風俗営業 許可 警察署

▼保健所が管轄となるもの

業種 許認可の種類 届出先
理美容業 届出 保健所
クリーニング業 届出 保健所
マッサージ業 届出 保健所
薬局、ドラッグストア 許可 保健所
ホテル、旅館 許可 保健所
映画・演劇・音楽等の興行場運営業 許可 保健所
病院、診療所 許可 保健所
レストラン、喫茶店、弁当販売等の飲食店業 許可 保健所
菓子・パン・惣菜等の食品製造業 許可 保健所

▼その他の業種

業種 許認可の種類 届出先
酒類製造業・販売業・卸売 免許 税務署
有料駐車場業 届出 市区町村
労働者派遣業、職業紹介業 認可 労働局

ここで紹介するのはごく一例であり、表のどれにもあたらない事業であっても届出などを要する可能性は否定できません。とくに、新規性の高い事業については、事前に行政書士などの専門家に確認する必要があります。

許認可申請手続の実務

許認可の申請は、行政機関ごとに定められた様式や手順に従って進めます。手続きを円滑に進めるには、事前準備と正確な申請書類の作成が重要です。

申請前の準備事項

事業を開始する前の許認可申請では、まず詳細な事業計画書の作成から始める必要があります。この計画書には、事業の具体的な内容、運営方法、収支計画などを明確に記載します。そのほかの準備のポイントを整理すると、次のとおりです。

    ■許認可申請の準備のポイント

  • 事業計画書の作成
  • 必要書類の収集・準備
  • 要件充足状況の確認
  • 関係機関への事前相談

申請に必要な書類は業種により大きく異なりますが、基本的には定款、登記事項証明書、住民票などの基本書類に加え、業種特有の書類が求められます。例えば、飲食店では食品衛生責任者の資格証明書や設備の配置図、建設業では経営業務管理責任者の証明書類などが必要です。

要件充足の確認では、特に人員体制と設備基準に注意が必要です。飲食店では食品衛生責任者の配置、建設業では技術者の配置など、法定で定められた人員配置基準を満たしているか入念に確認します。また、設備についても業種ごとに細かな基準が設けられているため、注意を要します。

申請時の注意点

許認可申請では、書類作成から提出まで細心の注意を払う必要があります。申請書類の不備は審査の遅延や却下の原因となるため、下記のポイントに留意して手続きを進めましょう。

    ■申請書類作成時の重要事項

  • 記載事項の正確な転記
  • 押印や署名の漏れ確認
  • 事業内容の具体的な記載
  • 代表者情報の整合性確保

申請書類の作成では、とくに代表者情報や所在地などの基本情報について、登記事項証明書や住民票との完全な一致が求められます。また、事業内容の記載は具体的かつ詳細に行い、曖昧な表現は避けることが重要です。

添付書類については、それぞれに有効期限が設定されています。住民票や登記事項証明書は通常3ヵ月以内、健康診断書は6ヵ月以内など、書類によって期限が異なります。申請から許可までの標準処理期間を考慮し、期限切れとならないよう計画的に準備を進めましょう。

まとめ

許認可申請は事業開始のとても重要な前提条件であり、業種によって必要な手続きは異なります。申請にあたっては、許認可の種類や要件を正確に把握し、必要書類の準備から申請手続きまで計画的に進めることが重要です。

新しく事業を始めるとき、とくに新規性のある事業内容となるときは、あらかじめ弁護士・行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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